2つにわれたチョコレート【完】
一気に罪悪感がうまれて、走って駆け寄る。
爽哉は、あたしを抱きしめた。
「もう…どこ行ってたんだよ。ケータイ、置いてくし…。すっげー心配したんだぞ?」
耳元で囁かれて、心臓がはねた。
でも、前みたいに、鼓動がすごく速くはならない。
気付いたから…。
「ごめんね。いきなり走ってくんだもん…」
ウソをついた。
手を振りほどこうと思えば、振りほどけた。
あたしは、しなかっただけ。