2つにわれたチョコレート【完】



気付いたら、杉浦を見つめてた。



赤くなった頬を見られないようにうつむいたり。



ふわふわでさらさらそうな髪は、風によくなびいて。



ボサボサにならないために、小さな手でおさえて。



杉浦の行動全てが、俺にとっては

額縁のなかの絵みたいにキラキラしてて。



可愛くて、美しくて、

つい、目を奪われて…。



なにも、考えられなく、する。



「黒山くん?」



可愛い、なにもかも可愛い。



声も、身長も、髪も、顔も、仕草も…全て。



細い腕を引っ張って、だきしめたくなる。




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