2つにわれたチョコレート【完】



「もうちょっと大きいほうがよかったけど。ま、いっか」



爽哉は、あたしをじっ、と見つめた。



茶色と薄い黒が混じった瞳。



その瞳は…逃げづらい。



「あの…爽哉。家、すぐそこなんだけど…」



頑張って目をそらして、話しかけた。



爽哉は、ちぇっ、と言って、手をふる。



「諦めるかな。姫の大きい声、聞けたし。

じゃ、またな」



あたしも手を振って歩きだした。




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