わがまま彼女
咲季の目を見ると涙が溜まってるように見えた。
「咲季・・・?」
俺は咲季の顔を覗いた。
「あたし・・・不安だよ。
優斗が専門行って離れたら
心も離れちゃう気がして・・・。
怖いよ・・・。」
咲季は体育座りをして顔を自分の腕の中に沈めた。
「咲季、顔上げて?」
俺は咲季のそばに行ってそう言った。
「やだ。今は顔見られたくない」
咲季はそう言って顔を上げない。
「お願い」
「・・・やだ」
「じゃぁ上げさせる」
俺は両手で咲季の顔を上げた。
咲季は今までに見たことがないくらい泣いていて涙で顔が濡れていた。