暗闇の廃校舎【短編】
興味本位
少女の啜り泣くような声と、ヒタ……ヒタ……という足音が聞こえる。
――どこ……どこなの?
掠れた、か細い声……
その声は、外装が剥がれ剥き出し状態のコンクリートに反響し、こだまのように響いてくる――
近づいてくる、こっちに、足音が。
ぎゅっと、首にぶら下げたペンダントトップを握りしめる。
通販で買った、濃い赤の小さなパワーストーン。
魔よけの効果がある――らしい。
実際の所、本当に効果があるかは不明だけど、気休めにはなる。
――お願い……出てきてよぉ……
この声……気配……
今度こそ――今度こそ本物に違いない。
心臓はドクドクと忙しなく動き、体中を廻る血液が沸騰するようだ。