暗闇の廃校舎【短編】
金属音とノイズに紛れて泣き声が聞こえる――
暗い――どこか狭い場所(トイレの個室……?)に閉じ込められて――
廊下――全身が打ち付けられたかのように痛い――悲鳴――何かに、追われている――……
声と映像が直接頭に――断片的に切り替わりながら入って来る。
最後に見えたのは人形――
スー……と、金属音とノイズが引いていく。
映像も……見えなくなった。
頭の痛みも嘘のように無くなり、気付けば着ている服は汗でびっしょり濡れていた。
マヨちゃんは……いない?
部屋は真っ暗で何も見えないが、気配がしない。
月は、雲に隠れてしまったらしい。
……この状態でペンライトを探すのは無理だ。
もしかして、マヨちゃんが持って行ってしまったのかもしれないし。
それにしてもあの子……人間じゃないのか?