暗闇の廃校舎【短編】
次の瞬間……
――ひっ……いや……いゃあああぁ――!
耳をつんざくような悲鳴――
鼓膜が破れそうなほどの悲鳴に耳を押さえ、床にうずくまる。
しばらくすると悲鳴はぷつりと途切れ、シンッと静まる廊下……
耳が……ズキズキと痛い。
辛うじて、鼓膜は破れなかったようだけど……。
マヨちゃんは……俺を見て、悲鳴をあげたのか?
ゾワリ、と背筋に冷水を流されたような冷たい感覚が走る。
後ろに……“何か”いる?
キィキィとした耳鳴りとノイズ――
この感じ……マヨちゃんとは少し違う。
ゆっくり深呼吸をし、意を決して後ろを振り返る。
そこには――
……。
何も、いない。
金属音とノイズも、振り返った瞬間に消えてしまった。