暗闇の廃校舎【短編】
人形が友達?
本気で言ってるのだろうか。
『オ、カ……シイ? アイ、ツラ……イ……』
――ザ……ザザ……
「……マヨちゃん?」
床にへたり込んだままの彼女の横顔をじっと見る。
目が虚ろで、焦点があっていない……
「は……やく……見つけ、ないと……」
ふらり、と、立ち上がり、俺のペンライトを手ごとガッと掴まれる。
触れた手は氷のように冷たく、思わず振り払ってしまう。
カンッと、ペンライトが床に落ち、バウンドして転がっていく。
『ヨ、ん……デ……る……』
また、ノイズが聞こえて来た。
今度は耳鳴りまでして来る。
「いった……」
キィキィと金属音のような音が耳の奥に響き、頭が割れそうに痛い。
たまらず頭を抱え、床にへたり込む。
その時、目の前に閃光が走ったように真っ白になり――