またいつか
「千春っ……。」


手紙を読み終えた母の目からは涙が伝っていた。



一方、町では千春が途方にくれていた。


勢いに任せて出てきたけど…


お金ない!!



あるのは100円玉1枚と
10円玉3枚と
1円玉が5枚。



どうしよう。



このままじゃあ何も出来ないし、今更帰るなんて出来ないし……



目が霞んできた。




いけない。


泣いてどうするの?


自分で出てきたんじゃない。
泣くなら今をどうするか考えなくちゃ。






「あれ、千春?」






制服姿の深春が声をかけてきた。

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