空と海(仮)
「誰がハゲや。何で大阪なまりやねん。」
「十円ハゲ作ったろか」
「円形脱毛症言うんや、知らんのか?」
「そんぐらい知っとる」
ギャーギャーと二人は騒いでいた。
「相変わらず仲良いね」
雪が冷静に言うと二人は照れていた。
「付き合っちゃえばいいのにね」
「あんたもね…」
「いや、なんで」
「私に付きまとわなくなるだろうから」
「ひどーい。」
クスクスと雪は隣で笑っていた。
その横を車が通る。
先生の車じゃない。
「でっかい車」
「リムジンじゃん」
黒くて太陽の光を跳ね返す大きな車。
「海様、お手を」
中から手を借りて降りてきた。
「めっちゃキレイ…」
茶色のクルっと巻いた髪。
キレイな瞳。
透き通るような肌。
頬は赤くて可愛らしい。
女でも見とれてしまう。
「空、行くわよ」
「あ、うん」
彼女が小峰財閥の娘。
小峰海。
クラスが違ってあまり知らなかったけど、本当にキレイな人。
これから、新しい一年が始まるんだ。