私達の世界
始まりの日
長い間、背中にしょってた真っ赤な箱を納戸に仕舞って
真新しい制服へと、袖を通す。
一昨日切ったばかりの髪の毛をゴムで一本にまとめると、
おかしなとこは無いか鏡の前でチェックする。
何度も鏡と睨めっこしながら、
ふっ、と視線を窓へと移した。
そこには数ヶ月前まで蕾だった桜の花が満開の見頃を向かえ、ひらひらと舞っていた。
鏡の中の自分と、窓の外の桜を何度か交互に見ると、少しづつ胸の奥が熱くなってゆく気がした。
(そっか、今日入学式なんだよね・・・)
鏡の自分を見つめながら自分の胸の中に感じる、逸る気持ちを抑えた。
(中学か・・・誰とクラス同じになるかな?)
小学校からの友達も大体同じ中学なので、さして緊張はしないが、何時のクラス替えもやはり楽しみなものである。
(楽しみだな〜!!)
また熱くなってきた胸を抑えながら顔を綻ばせた。
すると、遠くで誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。
それが母の呼ぶ声だとすぐに理解し、短い返事だけすると急いで鞄を持って部屋を出た。
相崎 実琴
今日から中学生になります。
真新しい制服へと、袖を通す。
一昨日切ったばかりの髪の毛をゴムで一本にまとめると、
おかしなとこは無いか鏡の前でチェックする。
何度も鏡と睨めっこしながら、
ふっ、と視線を窓へと移した。
そこには数ヶ月前まで蕾だった桜の花が満開の見頃を向かえ、ひらひらと舞っていた。
鏡の中の自分と、窓の外の桜を何度か交互に見ると、少しづつ胸の奥が熱くなってゆく気がした。
(そっか、今日入学式なんだよね・・・)
鏡の自分を見つめながら自分の胸の中に感じる、逸る気持ちを抑えた。
(中学か・・・誰とクラス同じになるかな?)
小学校からの友達も大体同じ中学なので、さして緊張はしないが、何時のクラス替えもやはり楽しみなものである。
(楽しみだな〜!!)
また熱くなってきた胸を抑えながら顔を綻ばせた。
すると、遠くで誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。
それが母の呼ぶ声だとすぐに理解し、短い返事だけすると急いで鞄を持って部屋を出た。
相崎 実琴
今日から中学生になります。
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