私達の世界
「へー、クラス別けってこんなふうに発表されるんだ。」

そう言って、まじまじとクラス別けの紙を眺める。

「小学校の時は家にハガキがきたよね。」

「そうそう。よく覚えてるね。」

「まあね」

そういって、麻稀は自慢げに笑って見せた。

ちなみに私達は今、先生らしき人からクラス別けの紙をいただいて、人込みの少ない場所があったから、そこでクラス別けの紙を見ているところだ。

「あー、麻稀とクラス離れた。」

「え、本当?」

「うん。ほら」

私は指で麻稀の名前を指差す。
確かに、私とは離れたクラスである2組に書いてある。
ちなみに、私は1組だ。

「ホントだ・・・」

麻稀は自分の名前が書いてある欄を見て、あからさまに肩を落とした。

「まあ、仕方がないね。どうせ隣のクラスだし、会いに行くよ。」

哀しんでいる麻稀の肩に手を乗せ、慰める。

「ホント?」

「本当だよ。私が麻稀に嘘ついたこと、ある?」

「ある。」

間を開けずに答えられた。しかも真顔で。

「随分酷い。」

「だって本当だし。」

麻稀は笑顔で答える。
そんな麻稀の笑顔に少し苦笑いをしながら、由羽のほうに、視線を向けた。

「由羽は?何組だった?」

「えっ?私は・・・あっ!実琴と同じだ!!」

そういって、嬉しそうに笑った。

「本当?やったね!・・・てか、自分のクラスがどこか見てなかったの?」

「うん!」

由羽は元気に頷くと、私達にピースサインを作って見せた。

「いや、そこ自慢するとこじゃないし。」

すぐに麻稀が鋭いツッコミをいれる。
麻稀はなにかとツッコミを入れてくれるので助かる。
「てかさ、何で二人はあんなとこでキョロキョロしてたの?」

先程まで麻稀と戯れてた由羽が唐突に聞いてきた。

「ん?単純に元同じ小学校だった奴探してたんだよ。」

「そうだったんだ、じゃあ、私がいてよかったね!」

と、自信満々に胸を張った。

「ばか。当たり前じゃん。」
「実琴〜!!大好きだ!!」

「うおっ!!」

由羽は助走をつけて、私に抱きついてきた。

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