オオカミ少年
「え~、今日で二日目!!じゃあ、まずは委員会を決めようじゃあないか!!」
と今日もテンションの高い村内先生。
静かな雰囲気に村内先生だけがポツンと浮かぶ。

委員会かあ~、何にしよっかな?と考えていると斎藤君に、「ねえ」
と声をかけられた。
いきなにの一言に、「は、はい!?」
と声が裏返ってしまった。
…葵のせいだ!!

そんな私に驚いた斎藤君は目をパチクリさせ、
「え、いや委員会、何にする?」
と言った。
「え、私は体育委員かな?」
体育なら割と得意なほうだし…。
「斎藤君は?」
「俺も体育委員にしようと思ってた。ってか逞でいいよ」
と言いニコッと笑った表情に少しドキッとしてしまった。

「え、ああ、じゃ…、逞…くん」
と遠慮がちに小さい声で君を付けた。
「逞でいいって」
と私の声が聞こえたのか不満そうな顔になる。

「だ、だって男の子と名前で呼びあったりとかしたことないから…」
と頬をピンクにして言うと、逞は少し笑って、
「舞って、意外にピュアだよな」
と言った。

ま、舞って…!!
いきなり名前呼びされて戸惑いと何故か嬉しさを感じた。

私は恥ずかしくなって顔に手を当てた。
なんだろう、心臓がいつもより早く動いている。
口角が自然と上がる。

何?この気持ち…。胸がキュンッてなる。
私の知らないこの気持ち…。
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