オオカミ少年
「おはよー」
リビングの扉を開けると、いつもの匂いがした。
ベーコンエッグの香り。
「あ~、舞。おはよ。今日はいつもより早いのね」
エプロン姿のお母さんが、いつもと変わらない柔らかな声で言った。
「ま~ね。あっ、コレもう食べていい?」
なんて言いながらもお母さんの返事を待たずにベーコンエッグを口いっぱいに頬張った。
「あ~、もう!座って食べなさい。行儀悪いわねえ」
お母さんが少し呆れたような口調で言った。
「はぁ~い」
私はお母さんに言われた通りに椅子へと座る。
…やっぱり、お母さんが作るベーコンエッグはおいしい。
しばらくすると大学一年生の兄がリビングへと入ってきた。
どんな寝方をしたんだってツッコミたくなるような寝癖がついた頭をかきながらアクビをしている。そして、まだ半開きの目で私を見た。
「…アレ?舞が俺より早く朝食って珍しいな」
「ま~ね」
と私が言うと兄は椅子に腰かけた。
そして、ベーコンエッグを一口かじると、まじまじと私の顔を見た。
そんな兄を私は眉間にシワを寄せて迷惑そうな顔で睨む。
「何?」
「お前、化粧してんの?」
だけど、そんな攻撃は奴には効かなかった。
「うるさいなあ!!」私はお兄ちゃんから顔を逸らした。
普段、お兄ちゃんの後に朝食を食べるのはお兄ちゃんがいちいちうるさいからなんだけど…、やっぱりうるさい。
しばらくするとパジャマ姿の妹がリビングへと入ってきた。
「あ~、お姉ちゃんの制服可愛いー!!い~な、奈美も着た~い」
お父さんの分の朝食を作り終えたお母さんがエプロンを脱ぎながら微笑んだ。
「奈美もあと二年すれば可愛い制服着れるわよー」
「あと二年か~」
私は、鞄を持ちリビングから立ち去った。
「行ってくるねー」と、私が言うとお母さんが玄関まで着いてきてくれた。
「忘れた物は無い?」
「大丈夫だよ」
靴を履き終えた私は立ち上がりドアを開けた。
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
普段から言っている行ってきますの声もワントーン上がる。
リビングの扉を開けると、いつもの匂いがした。
ベーコンエッグの香り。
「あ~、舞。おはよ。今日はいつもより早いのね」
エプロン姿のお母さんが、いつもと変わらない柔らかな声で言った。
「ま~ね。あっ、コレもう食べていい?」
なんて言いながらもお母さんの返事を待たずにベーコンエッグを口いっぱいに頬張った。
「あ~、もう!座って食べなさい。行儀悪いわねえ」
お母さんが少し呆れたような口調で言った。
「はぁ~い」
私はお母さんに言われた通りに椅子へと座る。
…やっぱり、お母さんが作るベーコンエッグはおいしい。
しばらくすると大学一年生の兄がリビングへと入ってきた。
どんな寝方をしたんだってツッコミたくなるような寝癖がついた頭をかきながらアクビをしている。そして、まだ半開きの目で私を見た。
「…アレ?舞が俺より早く朝食って珍しいな」
「ま~ね」
と私が言うと兄は椅子に腰かけた。
そして、ベーコンエッグを一口かじると、まじまじと私の顔を見た。
そんな兄を私は眉間にシワを寄せて迷惑そうな顔で睨む。
「何?」
「お前、化粧してんの?」
だけど、そんな攻撃は奴には効かなかった。
「うるさいなあ!!」私はお兄ちゃんから顔を逸らした。
普段、お兄ちゃんの後に朝食を食べるのはお兄ちゃんがいちいちうるさいからなんだけど…、やっぱりうるさい。
しばらくするとパジャマ姿の妹がリビングへと入ってきた。
「あ~、お姉ちゃんの制服可愛いー!!い~な、奈美も着た~い」
お父さんの分の朝食を作り終えたお母さんがエプロンを脱ぎながら微笑んだ。
「奈美もあと二年すれば可愛い制服着れるわよー」
「あと二年か~」
私は、鞄を持ちリビングから立ち去った。
「行ってくるねー」と、私が言うとお母さんが玄関まで着いてきてくれた。
「忘れた物は無い?」
「大丈夫だよ」
靴を履き終えた私は立ち上がりドアを開けた。
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
普段から言っている行ってきますの声もワントーン上がる。