オオカミ少年
しばらくすると私の家の前に着いた。

「私の家ここ!!ありがとうね!!」
私はドアを開けながら言った。

「うん。じゃあ、また明日学校で」
「うんっ」
私は逞に笑顔で大きく手を振った。
逞の姿が見えなくなるまで。

「ただいま」
そう言い玄関に入ると奈美が走って玄関まで駆け寄った。

「おかえり、お姉さん!!さっきの人、まさか彼氏!?」
思いもしなかった奈美の発言にビックリし慌てて、
「違うよ!!友達!!」と言うと、
「なーんだ」
と残念そうに言い自分の部屋に戻ってしまった。

私は部屋着に着替えベッドに座った。

生徒手帳を広げて桜の花びらを眺めた。
彼のことで頭がいっぱいになって一緒にいるだけで幸せ…、かあ。
私は自分でも知らない間に、逞に恋に落ちてたんだ…。
< 21 / 57 >

この作品をシェア

pagetop