オオカミ少年
閉会式が始まった。
暑苦しい中、私達はぎゅうぎゅうに並ぶ。
太陽が私達に容赦なく照り付けた。
「それでは選手宣誓、竹内君お願いします」
その名前を聞いて思わず溜め息が零れる。
「はい」
竹内廉が返事をする。
竹内廉は入学式と変わらず凛とした姿で前に立つ。
後ろで葵の、
「かっこいい~」
と言う甘い声が聞こえた。
葵だけじゃない。
周りを見渡せば、ほとんどと言っていいほど女の子達は竹内廉にメロメロ。
…ありえないでしょ。
「宣誓!!」
そう言い竹内廉が右手を挙げる。
…なんだか中学の時見たヒトラーのやつみたい。
「僕達は力いっぱい全力を出し切り正々堂々と勝負することを誓います!!」
と竹内廉が言うと周りから拍手が聞こえた。
私も仕方なく拍手をすることにした。
何が力いっぱい全力を出し切り正々堂々と勝負することを誓う、だよ…。
皆が知ってるのは竹内廉の表であって、本当の竹内廉を知らないからかっこいいとか言えるんだ。
初めの種目は男子学年リレー。
「次、斎藤君の番だよっ」
「う、うん!!」
逞はウチのクラスで一番足が速い。
当然、アンカー。
今、ウチのクラスは6組中の5位。
「あ、斎藤君!!」
その言葉で私は逞を探した。
居た!!
「逞、頑張れー!!」
私は精一杯、声を出した。
逞は、どんどん人を追い抜く。
そして…、
ついには一位になった。
「キャー、斎藤君、1位だよ」
と葵が耳元で叫んだ。
男子は退場。
次は女子学年リレー。
私はお茶とタオルを持ち逞の元へと駆け寄った。
「逞、おつかれ!!」逞にタオルとお茶を渡そうとした時ゎ
「おお、ありがとう」
と言い私の前に…奴、竹内廉が現れた。
「ちょ、あんたのじゃない!!」
そう言ったけど私の見向きもしないで立ち去ってしまった。
私は逞の方向を向き、
「ごめんね」
と手をあわせた。
その言葉を聞くと逞は私の頭に手を置き、
「大丈夫。応援、ありがとう。舞の声、聞こえた。次、頑張れ」
と言い逞は優しく微笑んだ。
「うん…」
やっぱり優しいな…。
あんな竹内廉っていう男と同じ人間だとは思えない!!
暑苦しい中、私達はぎゅうぎゅうに並ぶ。
太陽が私達に容赦なく照り付けた。
「それでは選手宣誓、竹内君お願いします」
その名前を聞いて思わず溜め息が零れる。
「はい」
竹内廉が返事をする。
竹内廉は入学式と変わらず凛とした姿で前に立つ。
後ろで葵の、
「かっこいい~」
と言う甘い声が聞こえた。
葵だけじゃない。
周りを見渡せば、ほとんどと言っていいほど女の子達は竹内廉にメロメロ。
…ありえないでしょ。
「宣誓!!」
そう言い竹内廉が右手を挙げる。
…なんだか中学の時見たヒトラーのやつみたい。
「僕達は力いっぱい全力を出し切り正々堂々と勝負することを誓います!!」
と竹内廉が言うと周りから拍手が聞こえた。
私も仕方なく拍手をすることにした。
何が力いっぱい全力を出し切り正々堂々と勝負することを誓う、だよ…。
皆が知ってるのは竹内廉の表であって、本当の竹内廉を知らないからかっこいいとか言えるんだ。
初めの種目は男子学年リレー。
「次、斎藤君の番だよっ」
「う、うん!!」
逞はウチのクラスで一番足が速い。
当然、アンカー。
今、ウチのクラスは6組中の5位。
「あ、斎藤君!!」
その言葉で私は逞を探した。
居た!!
「逞、頑張れー!!」
私は精一杯、声を出した。
逞は、どんどん人を追い抜く。
そして…、
ついには一位になった。
「キャー、斎藤君、1位だよ」
と葵が耳元で叫んだ。
男子は退場。
次は女子学年リレー。
私はお茶とタオルを持ち逞の元へと駆け寄った。
「逞、おつかれ!!」逞にタオルとお茶を渡そうとした時ゎ
「おお、ありがとう」
と言い私の前に…奴、竹内廉が現れた。
「ちょ、あんたのじゃない!!」
そう言ったけど私の見向きもしないで立ち去ってしまった。
私は逞の方向を向き、
「ごめんね」
と手をあわせた。
その言葉を聞くと逞は私の頭に手を置き、
「大丈夫。応援、ありがとう。舞の声、聞こえた。次、頑張れ」
と言い逞は優しく微笑んだ。
「うん…」
やっぱり優しいな…。
あんな竹内廉っていう男と同じ人間だとは思えない!!