オオカミ少年
竹内廉に連れられて来た場所は学習室。

嫌だと思っていた学習室も何故か落ち着く。

ソファーに座ると竹内廉は違う方向を向いて私に布団を渡した。

「早く閉めろよっ」
顔を隠しているからよく見えないけど耳まで赤いのは確かだ。

…早く閉めろよ?
シャツのボタンが開いてることに気づいて急いでボタンを閉めた。
って言うか女子のブラ見て真っ赤になるんだ。
ってきり見慣れてるのかと思った。
だってキス、凄い上手かったし…。
なんてリアルにあの時のキスの感触を思い出した。

「…助けてくれてありがとう」
嫌いな竹内廉にも何だか今は素直に言えた。
「俺、そういうの嫌なだけだから」
とやっとこっちを向いて言った。

え??自分だって学校でキスしたじゃん、と思っていることを見抜いたのか、
「学校できす以上のことしてんの」
と付け足した。

…キスならいいんだ。
じゃあさ………

「少しでいいから抱きしめて?」
自分でも驚いた。
何で平気でこんなこと言ってるの?!
しかもよりによって竹内廉に!?
私、可笑しくなっちゃった!?
なんて色々、考えていると竹内廉の手が徐々に近づいた。

「少しじゃなくてもいいけど??」

そう言い竹内廉は私を優しく抱きしめた。

少し甘ったるい香水の匂いが私を包む。

…何で??
私の胸がドキドキと脈を打っている。
これは「恋」の合図でしょ?
じゃあ、これは何と呼ぶんだろう。
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