オオカミ少年
そんな私達の変化に気づいた葵が、
「逞君と何があった??」
と聞いてきた。

そうだよね…。
毎日、笑顔で話しあってたのに急に話さなくなったら気づくよね。

私はチラッと逞を見た。
逞とあったことを思い出し自然と涙が溢れ出た。
そんな私を慌てて心配する葵。
私は逞とあったことを話した。
葵は私の話しをただ頷いて聞いてくれた。
…こんないい友達に隠し事なんて出来ないよ。

そう思い廉が助けてくれたことも話した。

それも何も言わずに聞いてくれた。

「…葵、私ね、廉のことが気になるんだ」
と葵の顔を見ずに言った。

葵はそんな私の顔を持ち上げて優しく微笑んだ。

「だと思った。いいよ!私、引き下がるからっ」

そんなつもりで言ったんじゃないけどありがとう…。



帰りの会が終わり私は真っ先に学習室へと向かった。
その途中で廉と会ったので一緒に行くことにした。

「今日で最後だってよ」
急に発せられた言葉にピンとこない。
不思議そうに廉を見ると、
「補習」
と言う言葉が聞こえた。
淡々と話す廉を見て少し傷つく私。

「良かったな。」
よくなんかない。
補習が終わったら廉に会えなくなる。

…もう、私、廉に恋しちゃったんだ。
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