XO醤
「あぁーん、いいよぉーシュウちゃーん」

「ほら、いくぞ!」

「ドピュドピュ!」

「ああぁぁーん!」

「はあっ、はあっ」

事がすんだ後ミキが、真剣な顔をして、喋りだした。

「わたしね、温かい家庭ってすごく憧れててね」

「どうしたんだよ、急に」

「ほら、わたしの家って母親が浮気して子供つくって出てって、その後、わたしさ、お父さんにめちゃくちゃに犯されて、捨てられたから」

「まったくひでぇ親だぜ」

すると急にミキが、シュウジの顔に自分の顔を寄せ、

「産んでもいい?」

と言ってきた。

「はぁなにを?」

と言って三秒後、気づいたシュウジは、

「まじか!?冗談だろ?」

と取り乱し気味だ。

「駄目なの?」

ミキが泣きそうな顔でシュウジを見つめる。

「いや、驚いただけだよ!ははっ、いやめでたいなぁー、俺も親父になるのかぁ」

といいつつ、戸惑いは隠せないでいた。

「わたし、産むよ」

ミキは覚悟が決まっているようだ。一方、シュウジは、まだ、信じられないでいた、いや、分かってはいるけれど、覚悟が決まっていなかったと言ったほうが正解だろう。

「うん」

シュウジはただ相槌をうつことしかできなかった。

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