ぼくはまだ夢の中
夢の中で歩く
「12月24日、俗に言うクリスマス・イヴ。日本では翌日のクリスマスよりもその注目度は高い。ただの前夜祭に過ぎないのに、だ。クリスマス・パーティーもデートの日時も先ず初めに24日から埋めてゆく。これは例えて言うなれば大晦日にお節を食べるようなものだ。意味の解らないことだ。それについてきみはどう思う?」
ラズは視界の全てに広がる青空を背景に教室の窓の縁に座っていた。晴天とはいえ年末の風は冷たくて窓を全開にされるのは少々辛い。ひやりと背筋をなぜてゆく風が惜しみなく教室の中に滑り込んでくる。おかげで教室内の室温は北極と比べられるまでに陥落している。日差しのある校庭の方がまだマシだ。ラズは気にしてはいないけれど、通知表を受け取った後のクラスメートはこちらにちらちらと目配せをしている。窓を閉めてほしいのだろう。視線はじっとりと湿っていた。
しかし誰もに一目置かれているとはいえ教室の中で浮いているラズに注意をするものは誰もいない。これで影で悪口を言われていないのは奇跡だといつも思っている。
「クリスマスについての重要性が日本では低いからじゃないかな」
ラズは視界の全てに広がる青空を背景に教室の窓の縁に座っていた。晴天とはいえ年末の風は冷たくて窓を全開にされるのは少々辛い。ひやりと背筋をなぜてゆく風が惜しみなく教室の中に滑り込んでくる。おかげで教室内の室温は北極と比べられるまでに陥落している。日差しのある校庭の方がまだマシだ。ラズは気にしてはいないけれど、通知表を受け取った後のクラスメートはこちらにちらちらと目配せをしている。窓を閉めてほしいのだろう。視線はじっとりと湿っていた。
しかし誰もに一目置かれているとはいえ教室の中で浮いているラズに注意をするものは誰もいない。これで影で悪口を言われていないのは奇跡だといつも思っている。
「クリスマスについての重要性が日本では低いからじゃないかな」