ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー
まだ22時。
電話を切ってまださほど時間は経ってないから大丈夫だよね?電話してもいいよね?
なんだかこの先のことを考えたら不安になってきて、思わず椿くんに電話をかけた。すぐに出てくれた椿くんは少しだけ眠たそう。
『相田?どうした?』
「デートしたい‼」
『………え?』
「今週の日曜日、映画行きませんか…!!」
あぁ、ちょっと失敗。
1人で突っ走ってどうするのよ。
シチュエーションあったのに。
デートしたいって言ったら「じゃあ何処に行こうか」って2人で行き先決めて最高の初デートを夢見てたのに。
本当は彼氏からデートに誘われるのが1番の夢だったけど…。
返事のない椿くんにもう一度問いかけると、椿くんは少し照れてるのかちっちゃな声で言った。
『………初デート……?』
もう…どうしてそんなに可愛いの。
どうしていつもあたしをドキドキさせるの。心臓がいくつあっても足りなくなっちゃうよ。
「…そう、あたしたちの初デート。だめ?」
『……ダメじゃない。』