ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー


かばっと背後から手が伸びてきたと思ったら抱きしめられて、私は叫んだ。


「きゃー!きゃー!きゃー!!誰ー?!何ー!いやぁ~!」

「ちょっ…暴れんなって!」

「やーっ!離してー!」

「ーーー相田!俺だよ!」


さっきよりもっと変な目で見られたかもしれない、でも叫ばずにはいられなかった。だって怖かったんだもん。

そんな恐怖、あっという間になくなってしまったけど。


私の大好きな人の声は特別だ。



「…っ…椿く…」


落ち着きを取り戻して顔だけ振り返ると、そこには私の知らない椿くんがいた。


なに、これ。


「わっ、ちょっとあんま見ないで」

「見ないでって…どうしたのこれ?酷い怪我!」


顔中痣と傷だらけで、洋服も汚くなってる。

触ると椿くんはピクッと痛そうに顔を歪めた。


どうしてこんなに傷だらけなの?
誰がこんなこと…?


とりあえず、この顔じゃどこにも入れないってことで私と椿くんは街をでて小さな公園に来た。

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