ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー

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「どーしたの…っ…その傷…」


ベンチに座り濡らしたハンカチで椿くんの傷口に触れると、冷たかったのと痛かったのと顔を歪めた。

椿くんは、少し困ったような表情を見せて私に言った。


「何でもないよ、ただ…ちょっと喧嘩に巻き込まれただけだ」

「…嘘は嫌い…」

「………………」

「椿くんが喧嘩を何回もしてること知ってるけど、その度胸が痛くなる。これよりもっと大きな怪我したらどうするの…?」


目が腫れてる。もし辺りどころが悪かったら失明をしてたかもしれない。

唇が切れてる。もしかしたら口の中まで怪我したかもしれない。

腕も、足も、体全部、痣だらけ。骨折でもしたらどうするの。治らなくなってしまったらどうするの。傷が一生残ったらどうするの。


見てる私が辛い。触ってる私も痛くなる。

どうして、喧嘩なんかする?

椿くんを好きになってから、何回同じことを思ってきただろう。




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