ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー


「…緑高とこの前喧嘩したときの仕返しが今日きたってだけだよ。相田と待ち合わせしてたから喧嘩する気はなかったんだけど…」

「…けど?」

「……ーーじょ、できたこと知ってて…」

「え?何?何て言ったの?」


突然一箇所だけ声が小さくなって聞き返したら椿くんは顔を真っ赤にした。

え?今赤面するところあった…?


「彼女っ…!!」

「?!」

「彼女、できたこと知ってて相田に手を出されたら困ると思ったから喧嘩してきた!それだけっ!」


言うだけ言ってそっぽを向いた椿くん。

え、私の為に喧嘩したの?
てか、え?「彼女」って言った?
椿くん、私のことちゃんと彼女としてみててくれてた?

なにそれ、めっちゃ嬉しい…!!

しかも私のこと思って喧嘩してきたとか!なにそれなにそれ!椿くん王子様!


なんかいつのまにか私の頭の思考が変な方向に行ってて、ハッとしてすぐに戻した。にやけるのはもう少ししてからにしなきゃ。


「遅れてごめん」


ボソっと呟いた椿くんを見つめると、椿くんも私の目をちゃんと見てた。


「ちゃんと連絡しなくて、ごめん。……デート…の約束も台無しにしてごめん」

「…ううん。椿くんがちゃんと迎えにきてくれて嬉しかったよ」


ギュッと椿くんの胸に飛び込んで背中に手を回した。そうすると、椿くんも優しく抱きしめてくれたの。

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