ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー

枕に顔を埋めて沈んでいると、手に持っていった携帯が震えた。

バッと顔をあげてメール画面を開くと待ちわびていた彼からの返信。

自然と顔がにやける。

たかが一文。たかが短文。
でもそれをみただけで嬉しくなって、会いたい気持ちが向上してあたしはベッドから飛び起きた。


半袖のワイシャツに腕を通して、指定のスカートを履いて、紺色のハイソックスを履いて、鏡の前に立ってネクタイを締めて。

ただ制服を着ているだけなのにこれからのことを思うとワクワクしてつい化粧にも気合いが入る。


何て単純なの。

でも、単純でもいい。
今のあたしには彼との小さな出来事が幸せに繋がるから。


「おかーさーん!学校行ってくるーっ!」


携帯と財布だけしか入っていないスクール鞄を背負って家を飛び出した。


会いたい、会いたい。
1時間でも早く。ううん。もっと早く。
一分一秒、無駄になんてできない。



20XX/08/05
FROM.河野 椿
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今、学校で補習中。
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