はちみつラバーズ
「こんなところにいたら教室よりも風邪ひきやすいと思うよ」
「あー、まあ、」
こういう場合曖昧な言葉で濁すしかない。
別になんとかなる、と思う。いつも寒くても暑くても寝てばっかりだし。
君に会わないように、ここで寝てたから、とはさすがに言えない。
「ねえ、」
「なんですか」
「アキちゃんって6組の、亜紀ちゃん?」
「…だったらなんですか」
勝ち気な態度で挑んでくる彼女に冷静に応戦する。
どうやら彼女はこれを言いたくて俺を探していたみたいだ。
まあでも、正直驚いた。彼女の情報網を侮るなってことらしい。
俺の居場所といい、亜紀といい、どこから情報を手に入れたんだ。
「みんなにばらしちゃいますよ?」
彼女は意地悪い笑みを浮かべた。