はちみつラバーズ
「うわ、どしたの」
「なんかそんな気分なの」
「どんな気分だよ」
最初は驚いた壱成だったけど、落ち着いて優しく撫でてくれる。
それがたまらなく心地いい。
「リナちゃんに取られたくないんだもん…」
リナちゃんに知られたことよりも、リナちゃんに何かされることよりも、何よりも壱成がリナちゃんのことを好きになったらどうしようってことが心配なの。
わたしよりも、リナちゃんを好きになったら。
考えただけで泣きたくなる。
「はは、取られないよ」
「ほんとに?
7年も付き合ってて飽きたりしない?」
そう、もう7年。
7年分の絆があって、7年分の慣れがある。
「しないよ」
「呆れない?」
「何にだよ」
壱成はクツクツと笑いながらわたしの背中を撫でる。
「焼きもちで怒ってるわたしに」