はちみつラバーズ
でもわたしは決して可愛いわけではない。
さっきの話にはつづきがあるし。
『でも彼女いるらしいよー。なんかふつうの』
『えー、もったいない!』
『超可愛い子捕まえられそうなのにね!』
普通でごめんなさい。
そこブスって言われないだけマシだけど。
普通って言葉がリアルさを表してる気がする。
わたしの顔も、学校での立場も、確かに普通だ。
「てかなんで亜紀が彼女ってことに気付かないかな」
「うーん学校では会ってないから?」
わたしと壱成はクラスが違うから、学校で顔を合わせることはほとんどなかった。
壱成がわざわざ会いに来るなんてありえないし、わたしもなんとなく行きづらい。
「でも、もう3ヶ月もこんな堂々と歩いてるのに」