はちみつラバーズ
「亜紀」
「なにー?」
「俺亜紀以外すきにならないよ」
「っ、」
言われた瞬間顔があつくなる。
これは完全に不意打ちだ。ずるすぎる。
狙ってやったわけじゃないのがわかるから余計に嬉しい。
「…っ、うん」
「亜紀しか知らないし。知りたいと思わないし。うん、だからそんなに憂鬱になるな」
「…頑張る」
ずっとすき。今までも、これからも。壱成だけ。
同じように壱成もわたしのことだけと思っても、いいかな?
「すき、壱成」
「知ってるよ」
「壱成は?」
「だいすきだよ」
そう言って笑う壱成にわたしはまたきゅんとする。
「わたしもだいすき!」
そう言って繋いだ手をぎゅっと握って、一生離れることがないようにと祈った。