生きていて、育っていて。

記憶

俺の中の、遊稀の記憶の半分は、全て笑っていなかった。


多分、笑えなかったんだと思う。


もっと、もっと俺が強かったら、彼女の笑顔は守れてたはずだった。


「ね-玲音は何部に入るの??」


「俺?俺は部活入らないかも。」


「あ~そっかぁ、玲音はクラブチームだもんね-。」


俺は、やっぱりクラブに入ることにした。


「部活見学、行くよ?」


「俺も着いて行こうかな。見るだけ。」


「そっか!暇だしね!一緒に...」


「どうした?」


一瞬にして遊稀の表情が暗くなってしまった。


「ううん!何でもなかった!一緒に行こうね!」


「なっ!」


こういう時は、無理して聞かないほうがいい。彼女が追い込まれていくのは見たくない。


「バド部だよな?体育館でやってるって。」


「本当!?早速行かなきゃ!」


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「こんにちわ~」


シュパンッ!

「ナイッショー!!!」


「うわぁ…バドミントンって、かなりハードなんだな...遊稀やって行けんの?」


「ムッ!バカにしないでよ!」


バカにはしてないけど。運動してなかったのにイキナリできるのかよ…


「ま、無理すんなよ?」


「うん、先輩たちカッコいいし、優しそうだから、この部活で頑張ってみる!」
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