生きていて、育っていて。
玲音*
守ってやれなくてごめんな。


遊稀は俺が守るって言ったのに、誓ったのに、守ってやれなくてごめんな...


ごめん。ごめん。ごめん...


いつの間にか俺は泣いていた。


声も出さずただ涙が止まらなかった。


「遊稀...ごめん...」


握っている遊稀の手に、俺の涙が落ちる。


おとぎ話みたいに、眠っているお姫様には、キスをしたら目を覚ましてくれるのかな?
…そんなわけないか…


「遊稀...お願いだから、目を覚ましてくれよ…」


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