生きていて、育っていて。

新しい日々

私は中学生になった。


もう頭の隅っこにしか当時の記憶はない。


そのほうが楽だった。


両親が死んだ日から私は殺人犯。


この事件を知ってる人はもう数え切れるほどしかいないと思う。


そのほうが嬉しかった、でも、悲しかった。


私は親戚に預けられる予定だったけど、


やっぱり生まれたところがいい。


と、わがままを聞いてもらって、まだこの町に住んでいる。


親戚はみんな優しいから、


このままこの町にいたら、辛い事を思い出すんじゃない?


と言ってくれた。


でも、ここでしか私の罪は償えないと思う。


だから、小さい頃からの幼馴染で、事件の事もちゃんと知っている七瀬家にお世話になる事になった。


七瀬家は、殺人犯を住まわせてくれるほど心が広いんだ。


七瀬家には、超綺麗な高校生のお姉ちゃんと、超カッコいい高校生のお兄ちゃんと、私と同学年で、モテモテの玲音がいる。


お父さんもカッコいいし、お母さんも超美人。


私はこんなにキラキラしてる家族の仲間入りして、恥ずかしいくらいだ。


七瀬家には本当によくしてもらっている。


私は、明日から七瀬遊稀になる。本当の家族になれる。



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