生きていて、育っていて。
「遊稀!大丈夫か!?」


いつの間にか、玲音が戻ってきていた。
ボーっと窓を見つめて動かない私を心配してくれた。


「まさか、また自分を責めてたんじゃないよな!?」


「ゴメン...大丈夫。ちょっとね。」


今の私にはそれしか言えなかった。


「無理に言えとは言わないけど、抱え込むなよ。」


「うん。『ありがとう』」


私は玲音に聞こえないくらい小さい声で『ありがとう』と言った。


「じゃぁ!弁当食うか!早くしないと、部活見学始まっちまうぜ!」


今日は、午前中が授業で、午後からは部活見学だった。


「なぁ、遊稀は何部に入んの?」


「私?私は…バドミントン部に入ろうかな…」


「え~!!運動音痴の遊稀が!?」


「何それ!!悪かったですね!!玲音と違って!!!」


「アハハ、冗談だよ。遊稀ならできるよ。俺が言ってるんだからね!」


「玲音が言ってるならちょっと不安だな~」


「お前なぁ!!」


こんな他愛もない会話が好きだった。


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