君といれたら
「いつきー!起きろー!起きないと置いてくぞー!」






ムギュッと指に感じる柔らかい感触。



それでもいっこうに起きなそうな様子に、むずむずと悪戯心がわいてくる。







「風邪ひくぞー!いい加減起きろー!」




さっきよりも、少し強くほっぺをつねってやる。






そうすると、



「…ハル…くん?」


樹がゆっくりと目を開いた。







「ハルくんじゃないだろ?今何時だと思ってんのよ」



わざとらしく溜息を吐きながら、教室の時計を指差す。





「え?」


まだ頭が働いていない様子の樹は、これまたゆっくりとした動きで時計に目を向けた。






「ええーーーー!?何この時間!?」




ガッタン!!




「うわっ!危ねっ!」




樹が勢いよく立ち上がった拍子に、座っていた椅子が床に倒れる。








「何!?何がどうなってるの!?」


「ちょ、お前椅子!」


「あたし勉強してて、それで…えっと!えっと!」





柄にもなく取り乱す樹。






…キミは寝起きの悪い子供ですか?








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