オルゴール
「なんでこんなことに……」
「あたしも、よくわからないけど……麗菜、最後ちょっと様子がおかしかったみたい……」
「様子?」
「麗菜の近くに……壊れたオルゴールが転がってたの。麗菜、そんな物を故意に壊すようなことする子じゃないし……」
「確かに、それはおかしいね……」
颯斗くんと出会ったのは、去年だった。
先に会っていたのは私の方で、もちろん色んなものを共有していた私は麗菜にも颯斗くんを紹介した。
気が合ったのか、いつの間にか麗菜と付き合うようになっていた。
付き合っても、私たち三人の関係は変わらなかった。
授業が終わり、帰宅すると、あの扉が気になった。
私と麗菜の部屋……。
「おかえり、麗華」
「ただいま」
台所からお母さんがひょっこり顔を出した。
「学校、大丈夫だった?」
「うん。なんとか」