オルゴール
見つめる先に
死体を見るのは、珍しくはない。
アリの死体。
蚊の死体。
蜂の死体。
金魚の死体。
鳩の死体。
ヤモリの死体。
鶏の死体。
犬の死体。
猫の死体。
人の死体。
それは、ニュースの報道だったり、身近で起きた出来事だったり、色々な形で目に入る。
殺す、殺される。
寿命、病気。
事故……。
意外と『死』というものは身近に関わっている。
そう、生きている限り、死をたくさん目の当たりにする。
他人事ではない。
だからといって、自分事でもない。
自分が死んでも、自分の死を直に見ることはないのだから――。