オルゴール


「!?」

『しかし、一度鳴ってしまえばもう、止まりません』

「え?」

『憎しみを受けると、オルゴールはその対象者の心になります』

「心って……まさか麗菜の……?」

『オルゴールが鳴り続ければ、対象者の心は存在し続けます』

『オルゴールが止まれば、対象者の心が止まります』

『オルゴールが壊れれば――』





背筋が、ゾッとした。


それは、もしかして……姉も壊れる、ということ?


『でも、出来れば止めないで』

「どうして?」

『止めないで。壊さないで。それは私の、大事な大事な友達だから……』


彼女の微笑みは、眼が笑っていなかった。


――非常に、不気味……。
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