オルゴール
音は、鳴り続ける。
私にしか聴こえない、音を出して。
姉の心が、私の憎しみによって鳴り続ける。
ただでさえ一日中音が鳴り響いてイラついているのに、姉と颯斗くんがイチャついていると、さらにイラつく。
イラつくと、オルゴールの音が大きくなる。
またさらにイラつく。
イラつく。
イラつく。
イラつく。
イラついてしょうがない。
――壊してしまいたい。
でも……これは姉の心だ。
もし本物だった場合、壊してしまえばそれは……姉の心の崩壊につながるのだろうか?
そうなると姉は、どうなってしまうのだろうか?
心が死んでしまうのだろうか?
それとも本当に……死んでしまうのだろうか――?