オルゴール
「思い出した?麗華ちゃん」
――え?
振り向くと、そこにはお母さんが立っていた。
「え、知って……?」
「あの赤いワンピースの子が教えてくれたの。麗菜を殺したのは麗華だって」
ゾクッ
お母さんは、いつも通りの笑顔を向けている。
それが激しく……恐怖心を引き出す。
「麗菜ちゃんはね、とっても優しくて、優秀で、お母さん、大好きだったの。愛していたのよ?」
「なに、言って……」
「でもね、お母さん、麗菜が亡くなってスゴく悲しかったの。悔しかったの。――犯人はね、絶対許さないって心に決めてたのよ?」
お母さんは手のひらを私に向ける。
その上に乗っていたのは――
「オルゴール……!?」
母は、それを全力で床に投げつけた。