オルゴール


死んだ原因が全く分からない。

それに謎のオルゴールは毎回壊れている。

怪奇現象か何かか……。


でも、そんなのもうどうだっていい。

姉は帰ってこない。


せめて、片割れの遺品を大切に持っていることしかできない。

姉が壊した不気味なオルゴールすらも、大切に持っていたい……けれど。


あれから、視線を感じる。

気配を感じる。


その先をたどると、毎回そうだ。

オルゴールがある。


不気味だけど、姉が見てくれているんだと思うことで、その不安を和らげようとした。


でも、絶対に違う。

この視線は姉のモノではない。


わかってしまうもの。
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