オルゴール
ドアの向こうから聞こえる、心配の声……。
「ここ、お夕飯置いておくから、ちゃんと食べてね?」
「……」
「……麗菜ちゃんだって、こんな麗華ちゃんの姿を見たら、心配で逝くこともでいないでしょう?」
『麗菜』
その名前を聞くだけで、少しだけ安心する。
麗菜、麗菜……怖い、よ……。
麗菜ももしかして、こんなに怖かったの?
だから……あのオルゴールを壊したの?
音を奏でないオルゴール。
でもきっと、壊す前はちゃんと動いていたんだと思う。
なぜだか、そんな気がする。
「何かあったら、ちゃんと言うのよ?」
コツッ...
ビクッ
窓の外から、窓に何かが当たったような音が響いた。