たったひとりの王子様 [完]
0。
カウントダウンの終了とともに、
あたしは、温もりに包まれていた。
この前もかいだ、由宇の匂い。
あたしは、今。
由宇に
抱きしめられてる。
みたい、だ。
「心配した…。明美、無事で良かった…」
耳元でささかれて、体がぞくっ、てした。
由宇の声が…ヤバイ、です。
「…お姉ちゃんだったんだ、本当は……。心配、かけたんだったら…ごめんね」
あたしは、由宇の背中に手をまわして
言った。