たったひとりの王子様 [完]



金井を、少し可哀相な目で見てから、体育館ウラあたりを見る。



「由宇くん!」



思わず、さけんでいた。


由宇くんは、二人が見えるところに立っていた。


盗み聞き…。




しばらくすると、明美は思いっきり頭をさげた。


そのあと、金井は明美の背中を押して、空を見ていた。


由宇くんの姿は、もちろんない。




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