たったひとりの王子様 [完]
あいつの想い
捨てる気持ち
あたしは、柚香ちゃんの誘いを断って、
急いで家に帰った。
胸が高鳴ってるのが分かる。
理由は、一つ。
あたしは、由宇に今日のことを話す。
由宇に…全てを伝えておきたい。
由宇は、あたしに教えてくれたから。
次は、あたしの番だ。
「ただいまー…」
玄関のドアを開ける。
由宇の靴はなかった。
まだ買い物から帰ってないみたい…。