たったひとりの王子様 [完]



部屋着に着替えて、由宇の帰りを待つ。


緊張しちゃって、TVもつけられない。


ヤバイくらい緊張してる…。



「ただいま」



ドアがあいて、由宇の声が聞こえた。



「おかえりなさい、由宇」



あたしは座ったまま、由宇の方に顔を向けないで答えた。


今、由宇を見たら…泣き出しちゃいそうだから。


由宇に抱きついてしまいそうだから…。




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