たったひとりの王子様 [完]



「なに、TVつけてないの? 電気もついてないじゃん。

どうした? なんかあったか?」



由宇の優しい声。


甘えて、泣き出したい。


でも、あたしは今日。



「…ここ、座ってもらっていい?」



指さしたのは、隣のイス。


由宇は、静かに座ってくれた。



「…あのね。今日、放課後、呼び出されたの」


「…そうなんだ」



あたしの声に、由宇は、小さく答えた。




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