たったひとりの王子様 [完]



そっと頭をなでられる。



「なにがあったか、なんて知らねぇけど…落ち着いて、ゆっくり話せよ。

俺に言いたいことなんだろ?」



由宇は優しく笑った。


あたしは、深呼吸をして口を開いた。


下を向きながら…。



「呼び出したのは…金井くんだった。

…付き合って、って言われた」



全てを言った。


由宇を、怖くて見れない。




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