たったひとりの王子様 [完]



沈黙がながれる。


あたしは口をひらけない。


金井くんに対する辛い想い…。


由宇になでられている、という緊張感…。



「明美がなにを言ったとしても、断ったんだよな?」



由宇の問いかけ。


あたしは、すぐにうなずいた。



「……よかった」



由宇がなにかを言った。


その瞬間、あたしはあたたかい物に包まれた。




< 167 / 268 >

この作品をシェア

pagetop