たったひとりの王子様 [完]



そぉっ…とうしろを向く。



「…金井…くん…?」



そこにいたのは、泣いてるあたしをじっと見つめる、

金井くんだった…。



「…由宇から聞いた。あいつのこと、フッたんだって?」


「……」



金井くんの、優しいけどすこしキツイ口調。


どうして…そんなに口調が怖いの?



「あのさ。俺、峰岸が好きなヤツ、ずっと知ってたんだぞ? 峰岸が、あいつを好きだ、って気付いてるかは別として」




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