たったひとりの王子様 [完]



「もしかして…。お前、俺のため、とかじゃねーよな? 峰岸は優しいから…誰も傷つけたくないから、とか…」



答えろよ、って金井くんは言った。


あたしは…小さくうなずいた。



「ほんっと…お前って…。バカだよ…」



そう言うと、金井くんはあたしを抱きしめた。


抵抗する力も、ない。




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